「あれれ、なんか真島さん子供慣れしてません?」
「そうか?」
「そう見えます。周りに小さい子とか、いました?」
「あー…妹がいたからかも」
一回り歳の離れた妹の世話をしていたからか、小さな子供と接する事に今でも抵抗はない。「子供好きな男の人、ポイント高いですねえ」といつものようににんまりとした笑みを浮かべる羽賀ちゃんを軽くスルーして、視線を辺りに巡らせた。
「これで全員?」
「いえ、まだあと少し来る予定です。もうちょっとしたら、ママ友軍団が到着するみたいです」
「ママ友?」
「保育所のママ友です。私と同じシングルマザーの子もいますよ!」
羽賀ちゃんは田辺と同じく、所謂デキ婚というやつだったらしい。ハタチの時に妊娠が発覚して、当時付き合っていた2つ年上の男と結婚したけれど、2年足らずで破局。原因は相手の不倫だと言っていた。
それからというもの、女手一つでこの小さな存在を育てているらしい。一見おちゃらけているように見えて、その実とても真っ直ぐで努力家な子なんだと思う。