どんな懺悔を繰り返せば、あの日々に戻れるんだろうって、ずっとずっと、考えていたの。



「菜穂」


だけどきっと、許すとか、許さないとか、そういう事じゃなかった。きっと貴方はそんな事を望んでいない。私を呼ぶその声に、どこまでもあたたかい心を知った。




「おかえり」


そのたった4文字の言葉に、一体どれだけの優しさと愛が込められているんだろう。その愛の大きさに触れた心が、存在を主張するかのように震えていた。



私が正しく此処に戻れたのは、貴方の愛に照らされ、導かれたからだ。私を見つめるその瞳の美しさが教えてくれた。




額を擦り合わせて、交差する前髪の擽ったさに笑う。もう一度 唇を寄せ合って、指を絡ませた。











「…ただいま、あっくん」





――私はこの奇跡を、一生、忘れない。