「っ…あっくん、私…っ」

「…ん?」

「私もう、太陽さえ居ればいいって思ってたのっ…太陽のためだけに生きて、いこう、って」

「うん」

「なのに、ぜんぜんダメなの…っあっくんとまた会った日から、私…っ」



言葉を詰まらせ、まるで咳のような嗚咽を繰り返す菜穂の背中を優しく撫でながら、顔が確認できる位置まで身体を離した。



「ちゃんと言えよ。何を望んでるのか」


それがどんな望みだろうと、きっと俺は聞いてしまう。例え自分に傷しか残らないような望みでも、またひとり置き去りにされる未来が待っていようとも、それでもいいと思ってしまうんだろう。



なあ、菜穂。

俺は、お前が幸せになれるなら俺がずっと不幸でも構わないって、本気でそう思ってたんだ。

その気持ちだけで、今日まで生きてきた。