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「あーそうか! ごめんごめん、忘れてた、アハハ」
(アハハじゃないって……)
佐藤主任は私に認定試験が課せられることをすっかり失念していたらしい。
タママート社員は入社数年間こうした現場経験を積み、認定試験をクリアしてからバイヤーなどの上位職にアップしていくのだという。
認定試験は年に二回、五月と十一月。
今はもう四月も下旬なので正味あと二週間しかない。繁忙な週末を終えた翌週から、私は大急ぎで挽肉と鶏団子の修行を始めることになった。恐ろしいことに指導役はまた矢部さんだ。
まずは挽肉。
店頭に並ぶ挽肉は粗挽から細挽へと二段階で作られている。ミートチョッパーという機械で粗挽き状にし、細挽き用の刃に替えてもう一度挽くという手順だ。
難しいのは細挽きにする際、抽出口から押し出される挽肉を両手で受け、定められた基準量を身体の感覚だけで切り取ることだった。
「多い! アンタ手がデカいんだから加減しなよ」
感覚をつかむまでは計量しようと秤を持ってきたらまた怒られた。←
「計らないで! 持ったらわかるでしょうが」
わかるか!と内心で毒づいていても口をきく余裕はない。とにかく必死だ。
「上からどんどん粗挽きを足さなきゃ続かないじゃん!」
中途半端な量を両手で受けたまま、材料の投入ができず立ち往生する。
「挽肉を押さえたらダメ! ふんわり丸く取って」
気をつけなければいけないことが多すぎてモグラ叩きのようだ。
「あーそうか! ごめんごめん、忘れてた、アハハ」
(アハハじゃないって……)
佐藤主任は私に認定試験が課せられることをすっかり失念していたらしい。
タママート社員は入社数年間こうした現場経験を積み、認定試験をクリアしてからバイヤーなどの上位職にアップしていくのだという。
認定試験は年に二回、五月と十一月。
今はもう四月も下旬なので正味あと二週間しかない。繁忙な週末を終えた翌週から、私は大急ぎで挽肉と鶏団子の修行を始めることになった。恐ろしいことに指導役はまた矢部さんだ。
まずは挽肉。
店頭に並ぶ挽肉は粗挽から細挽へと二段階で作られている。ミートチョッパーという機械で粗挽き状にし、細挽き用の刃に替えてもう一度挽くという手順だ。
難しいのは細挽きにする際、抽出口から押し出される挽肉を両手で受け、定められた基準量を身体の感覚だけで切り取ることだった。
「多い! アンタ手がデカいんだから加減しなよ」
感覚をつかむまでは計量しようと秤を持ってきたらまた怒られた。←
「計らないで! 持ったらわかるでしょうが」
わかるか!と内心で毒づいていても口をきく余裕はない。とにかく必死だ。
「上からどんどん粗挽きを足さなきゃ続かないじゃん!」
中途半端な量を両手で受けたまま、材料の投入ができず立ち往生する。
「挽肉を押さえたらダメ! ふんわり丸く取って」
気をつけなければいけないことが多すぎてモグラ叩きのようだ。