「到着です!」


目の前には丸みを帯びた小さな家があった。


「おじいちゃん!ただいま!
勇者様見つけてきたよー!」


少女はそう言いながら家の中へ入っていった、
もちろん俺を引っ張りながら。


「ララ!とうとう見つけたのか!?」


「うん!私やっと見つけたよー!」


ララと呼ばれたその少女は
掴んだままの俺の腕を無理矢理上にあげた。


「こら!ララ!勇者様を乱暴に扱うんじゃない!」


「・・・あ!」


言われ、ララは俺の腕から手を離した。


「ごめんなさい・・・勇者様・・・!」


「いや・・・別に・・・」


上目遣いで詫びるララに俺は少しドキッとして、
怒る気にはなれなかった。