ーーーーードクン。

また、私の心臓の鼓動が音を立てた。
「これって‥‥‥」
緊張してるのか恋をしてるのかわからなかったが、私の顔は赤くなっていた。
「耕太君は、となりの結衣さんに教科書を見せてもらってください。結衣さん、お願いしますね」
「は、はい」
私は、小声で返事をした。そして先生に言われたように、彼に教科書を見せる。
「なんか、ごめんな」
「えっ!」
耕太は、さみしそうな口調で私に謝った。彼から伝わる寂しそうな雰囲気と、波のように揺れる悲しい瞳。
「い、いいよ」
そんな彼を見ると、私の心音が大きくなる。