何日かして、宇和島や松山からボランティアが来ることとなったのだが、善子の家へ派遣されてきたのは、なぜか関西弁の大学生らしきボランティアの名札をつけた若者であった。

「西木野優平といいます」

 聞けば広島から来たのだ、というようなことを述べた。

「でも何で関西弁?」

「大学は広島なんですが、生まれは姫路でして」

 善子は何となく納得したようで、まずは雨漏りのする納屋の後片付けの手伝いを頼んだ。

「でも命があって良かったですねぇ」

 優平は納屋の段ボール箱やら農機具やらを、雨の当たらなさそうな軒まで出しながら、他のボランティアのスタッフに作業を指示したりしていく。

 熟れた様子の優平を見て善子は安堵したのか、

「ほんとに助かります」

 深々と頭を下げた。