確かに外へ出てあらためて見てみると黄色の宇和島ナンバーで、しかしその割には大きな箱がリアキャリアについているだけで、荷物の積みようがないように希には思われた。
程なく外へ佑ちゃんこと園田佑一郎があらわれて、
「希ちゃん、大きくなったねぇ」
と言った。
「…お、希ちゃんのはカフェカブ風かぁ」
希のカスタムカブを見て佑一郎は言った。
「こんな小さい箱で愛媛から来たの?」
「これね、ただの箱じゃないんよ」
佑一郎はリアキャリアを指し示した。
よく見るとそれは新聞屋で使うようなワイドキャリアで、箱も大きめの600という数字が読み取れた。
「ネットでこの箱をつけてる人がいて、キャリアごと変えれば積めるのがわかってやね」
おかげで取り回しが楽やった、と佑一郎は言った。
「まぁ希ちゃんはロンツーやるかどうか分からんけど、これは楽やぞ」
佑一郎は少し酒を飲んでいたようであった。