休みが来ると、大也はいつものようにカスタムカブを繰り駆って、ルビーのいない柳島の浜まで転がした。

 季節外れで誰もいないのは変わらなかったが、隣にルビーがいないぶん、余計に大也はもの寂しかったようで、しばらく座って海を眺めていた。

 やがて。

 名前のわからない一羽の小鳥が、目線の先の流木にとまった。

 しばらく鳴きもせず首だけを動かして小鳥はとまっていたが、そのうち雲の裂け目から光芒がさしてくると、導かれるように小鳥は去っていった。