そうした付き合いが続いたのだが、大也が一週間ばかり出張をして戻ってくると、ルビーと連絡がつかなくなった。

 急に連絡がつかなくなったので心配もしたが、茅ヶ崎駅に行って待ってみてもルビーらしき人を見つけることは出来ず、そのうち仕事も忙しくなって、自然に消滅するようなかたちで別れたような恰好になっていた。

 それが。

 何ヶ月か過ぎた頃、何気なく入った出先の定食屋の備え付けの新聞のちいさな記事で、ルビーの写真を見つけた。

「不法入国移民、強制送還へ」

 という記事であった。