彼女はみずからをルビーと名乗った。
あとから知ったがフィリピン系の子で、日本語学校に通いながら藤沢の居酒屋で働いている…とルビーは片言の日本語で語った。
「…うちは大也だから、うちらジュエリーみたいやな」
こうしたときに大也は、地金の播州弁が出る。
少しいかつい顔の日本人がダイヤという名前であったことに少しく興味を持ったらしいルビーは、大也のカスタムカブを指さしながら、
「Is it your bike?」
と訊いた。
「…送ったるわ」
置いていくのも気が引けたものらしい。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…