そんな最中の日曜日に華子は皓の家へバーベキューに呼ばれたのであるが、
「うちの旦那の友達の桜内さん」
紹介されたのはカスタムカブの仲間、通称をカブ仲間と呼ばれていた桜内健次郎である。
「この人のカスタムカブ、オシャレなんだよねぇ」
その日健次郎が乗っていたのは、カットレッグカバーにスチールのフロントフェンダー、足にはブロックタイヤを穿かせたオフロードモデルのもので、
「他にも何台か手掛けてるみたいで」
写真を見せてもらうと、白バイ風からマフラーをアップタイプに変えたタイプやら、タイヤを太めにしてあるものやら様々に変化したカスタムカブが並んでいた。
華子はそれだけですっかりベスパからカスタムカブへ気持ちが移っていたらしく、
「今度一台レストアしたら譲るよ」
との約束まで取り付けて、その日は帰った。