移住体験で修はすっかりこの田舎町が気に入って、隣のおばちゃんやら向かいのおじさんから可愛がられるようにもなり、

「俺、ここに住むわ」

 そう言うと横浜の家を引き払って、あらためて町へ住み始めた。

 茜は一年ばかり専門学校に行っていたのだが、戻ってくるとすぐに修のもとへ逢いに行くようになった。

「私の言った通り来たんだね」

 茜はそれが嬉しかったようであった。