結婚式の挙式はなんの問題もなかったらしいのだが、事態は披露宴で急変した。

「あれ? 修兄ちゃんは?」

 と、訊いてきた親戚がいたのである。

 とりわけ修と仲が良かった大阪のイトコの近江勲は、

「こないだ電話で話したばっかりの修ちゃん、いつ死んだんや?」

 などと新婦である妹にしつこく訊いて回るので、新郎の両親に問われて、

「いや…こいつ兄貴死によったらしいねんけど、うちそんなん初耳やし、オマケに葬式にすら呼ばれてへんしやね」

 などと言ったので新婦が問い詰められ、ほどなく真相がバレたらしい。