その日はそれだけで宿についたのだが、宿でスマートフォンを充電するために電源を入れると、おびただしい数のLINEのメッセージやら、メールやら不在着信やらがある。
「とにかく連絡をよこせ」
ということらしかったが修は、
「死んだことになってるのだから」
というので、また電源を切って充電だけコードを差し込んでその日は寝た。
翌朝、茜からのメッセージを確認していると、妹の同級生の兄で、かつてクラスメートであった有馬弘毅から着信が来た。
「近江、お前今どこだ?」
道の駅から宿に来た、とだけ告げると、
「お前の妹の結婚式、かなり荒れたんだぞ」
あの着信やメッセージの数でただ事ではなかったというあたりまでは察せられたが、どうやらひどかったらしい。