そこで修はくだんの結婚式の話をすると、

「…それはひど過ぎます!」

 高校生らしい変な正義感からなのか、腹を立てて言った。

「あなたが怒ったって何も変わらないさ」

 修は力なく笑ったが、

「私はお兄ちゃんいるけど、そんな風に考えたことなんかないし」

 彼女は我慢がならなかったらしい。

「そんな家族なんて縁切ればいいのに」

「そしたら、この俺はどうすればいいんだ?」

「この町に来て、新しく仲間や家族を作ってのんびり楽しく暮せばいい」

 彼女にすれば、軽い気持ちで思わず言ったものであったかも分からなかった。