いちごちゃんはとてもいい子だ。
皆がそろったときは率先してお茶を入れてくれたりとても気が利く。
緑茶でも紅茶でもコーヒーでもいちごちゃんが入れてくれたものはとても美味しい。美味しいだけじゃなくって、その人の好みにあわせてくれているのだ。
猫舌の僕にもちょうどよい温度で出さる。一方、サクラには舌が焦げるほど熱いものが提供される。そして、いつも真っ赤な唇をしているマチコはどんな時でも氷入りの冷たい飲み物が前に置かれる。真っ赤なストローが唇と同じ色ではっとする。
ただし、ココアのときだけは別だ。ココアがだされるときは、いつだってマチコが作る。コップのふちにあふれんばかりにマシュマロが放り込まれたそれは、こってりとしていて美味しい。ただし、マチコについては一人ひとりで温度を変えることはない。
前にマチコを手伝ったときマチコはできあがったココアを鍋から直接各自のカップに注いでいたので間違いない。
ただし、マチコは自分の分にだけ、氷をぶち込んでいた。
サクラが用意してくれたお菓子をみんなで食べる瞬間は、とてもあたたかく心地が良い。
なにか特別なことをするわけではないのに、楽しくてしかたがない。
どんなに些細なことでもお腹の底から笑えていた。
前はいつも痛かった肩がいつの間にか楽になっていた。いままで、肩に力を入れてあるいていたのが、自然に力を抜いて歩くことができるようになったらしい。
ささやかなお茶の時間がある生活。それはとても贅沢で充実したものだ。
4つのルールを守りながら僕の毎日はとても幸せだった。
いままで独りでいると、なにもないのに世界が孤独で侵食されることがあった。目の前が曇って、空が濃い緑色になる。
まるで、洗剤を溶かし込んだみたいなわざとらしい緑は見ていると気持ちが悪くなってくる。
泡だった緑色の世界はとても不公平だ。
どうして目の前をあるくカップルはあんなに楽しそうなんだ?
どうして僕だけこんなにひどい目にあうのだろう?
どうして彼にはあんなに才能があるのだろうか?
不安と焦りと後悔が嫉妬と混ざって頭の中で騒ぎ出す。
誰かがいる場所にいるとそんな気持ちでいっぱいになるから、僕は急いで家に帰る。
家に帰ると、今度は孤独で、おかしくなりそうになる。
冷たい部屋のなかに僕が独りぼっちだ。世界というのはずっと狭くて、緑色の空のほかにはこの灰色の部屋と僕だけになる。
世界はこんなに狭いのに、外が怖くて仕方ない。
そして、寂しくて仕方がない。
だけれど今は違う。
空が世界が嫉妬の緑色で染まる前に、誰かが僕に話しかけてくれる。
誰かと一緒にいることがこんなに素晴らしい気持ちになれるなんて、だれも教えてくれなかった。
僕は幸せだ。
だから、僕もいつか彼女たちの役に立ちたいと、いまはそう強く願っている。
皆がそろったときは率先してお茶を入れてくれたりとても気が利く。
緑茶でも紅茶でもコーヒーでもいちごちゃんが入れてくれたものはとても美味しい。美味しいだけじゃなくって、その人の好みにあわせてくれているのだ。
猫舌の僕にもちょうどよい温度で出さる。一方、サクラには舌が焦げるほど熱いものが提供される。そして、いつも真っ赤な唇をしているマチコはどんな時でも氷入りの冷たい飲み物が前に置かれる。真っ赤なストローが唇と同じ色ではっとする。
ただし、ココアのときだけは別だ。ココアがだされるときは、いつだってマチコが作る。コップのふちにあふれんばかりにマシュマロが放り込まれたそれは、こってりとしていて美味しい。ただし、マチコについては一人ひとりで温度を変えることはない。
前にマチコを手伝ったときマチコはできあがったココアを鍋から直接各自のカップに注いでいたので間違いない。
ただし、マチコは自分の分にだけ、氷をぶち込んでいた。
サクラが用意してくれたお菓子をみんなで食べる瞬間は、とてもあたたかく心地が良い。
なにか特別なことをするわけではないのに、楽しくてしかたがない。
どんなに些細なことでもお腹の底から笑えていた。
前はいつも痛かった肩がいつの間にか楽になっていた。いままで、肩に力を入れてあるいていたのが、自然に力を抜いて歩くことができるようになったらしい。
ささやかなお茶の時間がある生活。それはとても贅沢で充実したものだ。
4つのルールを守りながら僕の毎日はとても幸せだった。
いままで独りでいると、なにもないのに世界が孤独で侵食されることがあった。目の前が曇って、空が濃い緑色になる。
まるで、洗剤を溶かし込んだみたいなわざとらしい緑は見ていると気持ちが悪くなってくる。
泡だった緑色の世界はとても不公平だ。
どうして目の前をあるくカップルはあんなに楽しそうなんだ?
どうして僕だけこんなにひどい目にあうのだろう?
どうして彼にはあんなに才能があるのだろうか?
不安と焦りと後悔が嫉妬と混ざって頭の中で騒ぎ出す。
誰かがいる場所にいるとそんな気持ちでいっぱいになるから、僕は急いで家に帰る。
家に帰ると、今度は孤独で、おかしくなりそうになる。
冷たい部屋のなかに僕が独りぼっちだ。世界というのはずっと狭くて、緑色の空のほかにはこの灰色の部屋と僕だけになる。
世界はこんなに狭いのに、外が怖くて仕方ない。
そして、寂しくて仕方がない。
だけれど今は違う。
空が世界が嫉妬の緑色で染まる前に、誰かが僕に話しかけてくれる。
誰かと一緒にいることがこんなに素晴らしい気持ちになれるなんて、だれも教えてくれなかった。
僕は幸せだ。
だから、僕もいつか彼女たちの役に立ちたいと、いまはそう強く願っている。
