これは罪です。 ちいさな弟は冷たい水の中にいます。 冷たい水は、弟が腐り土になることをゆるしません。 私の弟はいまでも、あの時の姿のまま静かに冷たい水の中からわたしをみつめつづけています。 わたしが幸せになることはゆるされないでしょう。 いままで幸せになりたいとも特に考えてきませんでした。 だけど、私は彼に恋をしたのです。 彼にだけは知られたくない。そう思って、私は秘密を深く深く沈めることにしました。