そう思った瞬間、わたしは500円が再び落ちるのも気にしないで、彼の手をぎゅっと握りしめた。 両手で力いっぱい、ぎゅうって。 そうしたら彼は困ったように、口元を少しだけ緩ませて「どうしたの?」とわたしに問う。 あの時と違って赤髪でもないし、ましてやロン毛でもない。 エメラルドグリーンの尾ひれはなくて、ちゃんと足がある。 だけど、確信をもって、あの時もらえなかった返事をもらうため、口を開く。 「……人魚さん、わたしと友達になってください!」