海姫くんのひみつ


 学校に設置してある自動販売機は安いのが売りだが、学校の奥側にあり、なおかつわたしの教室からは少し遠かったのもあって、1年生の時以来来ていなかった。

 簡易ベンチがあり軽い休憩スペースになっているが、昼休憩の終わり間近ということもあって人はいなかった。

「やっぱり、ここにもいるわけないよねー」

 わかっていたことだけど、ほんとうにもう一生会えない気がしてきて、悲しくなってくる。

 ……よし、こういうときは炭酸でも飲んで元気出そう!

 その時、授業開始5分前を告げるベルが鳴った。

 その音に驚いて、手に持っていた500円玉を落としてしまう。

「わたしの500えーんっ!」

 高校生にとって、500円は結構大金だ。

 だけど500円玉は止まることを知らずにどんどん転がって行ってしまう。