そう思って何度も記憶を掘り返してみても、試しにクラスの男子の顔をじっと観察してみても、あの時出会った人魚の面影ひとつ見つけられずにいる。
最近は毎日、他学年、他クラスを覗き見して、人魚の彼がいないか探すのが習慣化している。
1学年8クラスあるこの学校の中から彼一人を見つけなければいけないなんて、至難のわざだ。
今日の昼休みは、初心に帰ってもう一回よくクラスの男子を観察してみよう。
何か手掛かりが見つかるかも。
なんて、さながら探偵のように、休憩時間ごとに考えてばかり。
「あー……、ほんとうに見つかるのかなあ」
なんて、机に突っ伏したまま、ひとりでそんなことをつぶやいた。



