長かった夏休みが明けて、二週間が経った。
休み明けの課題確認テストは思ったより悪くなくてほっとした。
上位20位までは貼りだされるけれど、そこはいつも通りの顔ぶれといった感じで代り映えしなかった。
そして、わたしはまだ目的を達成できずにいた。
「どこにいるんだろうー……」
9月といえどもまだまだ暑く、机に突っ伏して脱力する。
今思うと、あの夏の日は夢だったんじゃないかとさえ思う。
あの長い赤髪のきれいな男の人は。
人魚を見たのは。
それでも、夢じゃないことがはっきりとしているのは、あの時一緒に歌った洋楽を、笑っちゃうくらいひどい歌声を昨日のことのように思い出せるから。
「はあー……」
思わず、大きなため息が口からもれた。
簡単だと思っていたのだ、彼を探し出すのなんて。
だってあんな赤い髪、絶対目立つはずだし。
だけど彼は言っていた、赤髪と尾ひれは決まった条件で体質として現れる、って。
だからきっと、普段は赤髪でも長髪でもなくて、もちろん尾ひれなんかなくてちゃんと足が生えている。
……探し出すの、難しくない?
それでも、彼はわたしを知っていた。
だからきっと、少なくともどこかで面識はあるはずなんだ、絶対に。



