「では、ジャン、あなたの仕事を言いつけます。私は次の誕生日で二十五になります。それまでに私と交合いなさい。交合った時点であなたの契約は終了します。もし今夜できれば、今夜中にはあなたは自由の身になれます。宜しいですか?」
真昼間の明るい応接間でする話ではない。
トン、とテーブルの上に五百万が置かれた。
「これはあなたの代金です」
ゴクリ、生唾を飲む。自由を手に入れられる金額だ。
「これを受け取ったら、あなたは今日から私の私室に自由に入ることができます。どんな無作法も咎められません」
イザベラは業務連絡を告げるように感情なく言い切った。まるで乱暴を認めるような言い方だ。
しかしこれは、彼女の初めてなのだ。そんなに粗末に扱うものではない。それくらいオレにだってわかる。