性奴隷を脇に従えながらも清廉な物腰のイザベラに、男たちの目の色が変わる。ひしひしと伝わってくる熱視線からイザベラを守るように、力強く腰を抱く。
イザベラはその様子に呆れたように、胸を押して距離を取る。
「もう大丈夫よ、そんなに心配しなくても慣れて来たわ。あなたのおかげであまり恥をかかなくて済みそうよ。……準備してくれてありがとう」
イザベラはそんなふうに笑うけれど、ちっともわかってやいやしないのだ。
「イザベラ嬢」
ダンスの誘いがかかる。イザベラは戸惑うように瞳を泳がせたが、差し出された手を取ってフロアに出る。
今日のために練習してきたダンスは、下手には思われないレベルには育っている。少しの間違いは、長年の引き籠りから考えれば御愛嬌というところだろう。
何人かの相手をしたところで、イザベラがオレの元へ帰って来た。オレは疲れた様子のイザベラに飲み物を用意してやる。