その日の夜。オレはイザベラの部屋へ向かった。
イザベラは三人掛けのソファーでランプの明かりをもとに、今日買った本を読んでいるようだった。オレはその隣にそっと腰掛ける。
「面白いですか?」
オレを認めて顔を上げる。もう突然の来訪に驚かなくなっていた。その警戒心のない姿に、内心苦笑する。
「ええ! とっても! こちらの国よりとても天文学が進んでいるの。お互いに周りあう星があるんですって! 恋人の星と呼ばれていた星を観察していたらわかったそうよ。大空を光りながらダンスを踊っているようね」
イザベラは、興奮したように話す。オレはポカンとしてしまった。
イザベラはそれに気が付いて気まずそうにした。