「叔母さまは何色?」

 セシリオが、ブリキの入れ物を眺めながら訪ねた。

「私は白よ」
「白」
「あなたのお父様は黒でした。あなたは何色が好き?」
「緑色!」

 セシリオはイザベラのワンピースと同じ鮮やかな緑を指さした。

「素敵ね。では緑色にしましょう。名前を入れてくれる?」

 イザベラが言えば、百科物屋の店主はコクリと頷いた。

「僕のだ! 名前は白がいい!」

 セシリオが嬉しそうに笑うけれど、どう見ても七つの子供が欲しがるようなものには見えなかった。