薄暗い店の中は、武骨なものがいっぱいだった。時計、イザベラの寝室にもあった液体の入った長い筒にカラフルな丸いカラスが浮き沈みしているもの。ブリキの四角い胴乱、ビーカーにフラスコ、何かわからないけれどネジや歯車。
セシリオは目をキラキラさせている。
その様子をイザベラが微笑ましく見守っている。
「イザベラ様、店までお出ましとは……」
店の店主らしき男が頭を下げた。
「セシリオも自分で選びたいと言い出しましたので」
「お坊ちゃまもそんなお年ですか。イザベラ様が初めてこちらに見えた時も、ほんの小さな頃でしたからね」
「懐かしいわね」
なじみの店らしく、イザベラはリラックスしたように受け答えしていた。