「ご主人様の仕立て屋をオレの部屋に呼んでください」

 セバスチャンは不服そうに、でも無言で頷いた。

 イザベラのいつも使っている仕立て屋を部屋に呼び、新しいワンピースを仕立てた。

「色はあまり派手なものは好まないようだから、シックなものを。その代わり、ご主人様に似合う最新のモデルで作ってください」

 そう願えば仕立て屋は満面の笑みで微笑んだ。取り急ぎ、普段着用のワンピースも何点か買い取った。


 メイドたちにも相談をする。あの野暮ったいオサゲ髪をどうにかしなければいけない。セシリオを追いかけるには便利だろう。しかし、だ。髪をまとめるにしたって他にやりようがある。
 聞けば、イザベラは自分で髪を結っていると聞く。明日から部屋にヘアメイクをしにきて欲しいと頼んだ。