イザベラはいつも七歳の甥セシリオと一緒に食事を取る。まるで母親のようにかいがいしく世話をしている様子は、明るくほほえましい。
なぜ今まで結婚しなかったのか、不思議なくらいだ。良い母親になれると思う。華やかではないけれど、別に不細工でもない。やりようによっては化けるのではないかと思った。
あんな真っ黒のワンピースなんかやめて、黒髪が映えるような明るい色のワンピースを着ればいい。そして人並みにメイクをすれば。
メイドの一人に聞いてみる。
「ご主人様はなんでいつも黒いドレスなわけ?」
古くからのメイドは痛ましそうな顔をした。