「好きです。美しいご主人様」
「煩いわ。嘘は聞きたくない。黙りなさい」

 イザベラはピシャリと答える。

「さっさと済ませて」

 オレはイザベラをベッドに押し倒した。
 硬い身体は緊張しているからだ。きつく目を閉じて、唇を噛みしめる女。微塵もオレを受け入れる気なんてない。
 きっちりと首まで止められたボタンを一つ開ける。

 ビクリと大げさに震える肩。

 もう一つボタンを開ける。

 ひ、と小さく声が漏れる。
 
 怖いくせに、止めてと言わない。

 指先までガタガタと震えているくせに、なにを偉そうに、さっさと済ませてだなんて。
 
 なんなんだよ、この女。

 胸糞悪くなる。こんな風に拒絶されたことはなかった。いつだってほしがるのは主人の方で、俺はそれに答えるだけだった。

「止めた」