どうしますか、なんて買った奴隷に聞くなんてありえない。
普通は店が金を受け取った時点で、オレたちに選択肢はない。殴られようとも蹴られようとも、ニッコリと微笑んで『ご主人様のおおせのままに』そう答えるように躾られてきた。
オレはどうしたらいいのかわからなかった。
こんな判断を自分でしたことがなかったからだ。
逃げることは考えても、断ることを想定していなかった。
だけど、オレが断ったら、この女は他の性奴隷に乱暴に扱われるかもしれない。そういう趣味のやつもいる。
大体オレたちは買主を快く思ってはいないし、この身分から逃げられるならちゃっちゃと逃げたいのだ。ムカつく身分の女を痛めつけた上に、金も貰らえて自由になれる。より残酷に痛めつけたい、そう思うものがいたっておかしくない。いや、多いだろう。オレだって、まったくその気がないわけじゃない。
そう考えたらゾッとした。
「契約させてください」
答えは一つだ。