第16話 甘い思いと解かれた謎
昇降口に来たときオレは思いきって詩音さんに聞いた。
詩音さんの返答次第では買い出しが気まずくなるかもしれないと思ったが、オレは我慢できなかった。
周りには誰もいない。
「若槻先輩! オレのこと好きですかっ?!」
詩音さんは目をまんまるにしてる。
「オレはあなたのことが好きです!」
「うん。私も健人くんのこと好きだよ」
オレは飛び上がった。
「やった!」
すっげえ嬉しかったから。
「もうっ! 君の一番のファンだって言ったじゃん。私勇気出して君のこと好きだって言ったのに。本気にしてくれないんだもん」
かっ可愛い。
詩音さんは怒った顔も可愛すぎる。
詩音さんとオレが見つめ合うといろいろ思い出されてきて。
オレはなんてことをこんなとこでと急に逃げ出したくなった。
しばらく昇降口に二人で立っていた。
こんな時どうすりゃいいのかオレは恋愛経験がなさすぎて分からない。
そして信じられないことが起こった。
あっさりこんなとこでオレの疑問が意外な人物によって解かれることになるとは。
「あら? 健人。なにしてんの?」
聞き慣れすぎた声が背後からした。
はあっ?!
振り返るとバッチリ化粧をした母親がいた。
「母さん? 母さんこそなにしてんだよ」
「PTAよ。PTA。
あら〜? 久しぶりね詩音ちゃん。
まあすっかり綺麗になって。
そうそうお母さん元気?」
「お久しぶりです。母は元気です」
ええっ。詩音さんと母さんが知り合いだって?
嘘だろ。
「知り合い?」
母さんは大声で笑った。
「ばっかねえ! 健人!
アンタすごいお世話になったじゃない。
通学班の班長だった詩音ちゃんでしょうが!
よく連絡帳届けてくれたり忘れ物したら貸してもらったりしたんでしょ?
うちの三軒隣りだったわよね〜?」
「はい」
ちょっと待て。
「じゃあまたね。お母さんによろしくね。
詩音ちゃんのことちゃんと家まで送ってあげなさいよ。聞いてる? 健人!」
「分かってる」
「さようなら」
詩音さんは天使の微笑みでオレの母親に挨拶をする。
「詩音ちゃんさようなら。またね〜」
うちの母親はまくしたてるだけまくしたてて颯爽と帰って行った。
オレはあんぐり口を開けてた。
「詩音さんが通学班の班長」
オレの初恋の人。
「そうだよ。分かんなかった?」
「だって名字が」
「うち両親が離婚して名前が変わったの。だから引っ越したんだ」
オレが詩音さんにしてあげたことって。
「私ね小学生の時太ってたからよく男子にからかわれてたりしてたよね? いつも健人くんが私のこと助けてくれてた」
詩音さんはオレの肩に手を置いた。
「あの時から君の一番のファンになったんだよ」
詩音さんがオレにキスをした。
オレは頭が痺しびれてる。
「君が私を助けてくれたんだよ」
詩音さんがオレの耳元でささやく。
「大好きだよ」って。
昇降口に来たときオレは思いきって詩音さんに聞いた。
詩音さんの返答次第では買い出しが気まずくなるかもしれないと思ったが、オレは我慢できなかった。
周りには誰もいない。
「若槻先輩! オレのこと好きですかっ?!」
詩音さんは目をまんまるにしてる。
「オレはあなたのことが好きです!」
「うん。私も健人くんのこと好きだよ」
オレは飛び上がった。
「やった!」
すっげえ嬉しかったから。
「もうっ! 君の一番のファンだって言ったじゃん。私勇気出して君のこと好きだって言ったのに。本気にしてくれないんだもん」
かっ可愛い。
詩音さんは怒った顔も可愛すぎる。
詩音さんとオレが見つめ合うといろいろ思い出されてきて。
オレはなんてことをこんなとこでと急に逃げ出したくなった。
しばらく昇降口に二人で立っていた。
こんな時どうすりゃいいのかオレは恋愛経験がなさすぎて分からない。
そして信じられないことが起こった。
あっさりこんなとこでオレの疑問が意外な人物によって解かれることになるとは。
「あら? 健人。なにしてんの?」
聞き慣れすぎた声が背後からした。
はあっ?!
振り返るとバッチリ化粧をした母親がいた。
「母さん? 母さんこそなにしてんだよ」
「PTAよ。PTA。
あら〜? 久しぶりね詩音ちゃん。
まあすっかり綺麗になって。
そうそうお母さん元気?」
「お久しぶりです。母は元気です」
ええっ。詩音さんと母さんが知り合いだって?
嘘だろ。
「知り合い?」
母さんは大声で笑った。
「ばっかねえ! 健人!
アンタすごいお世話になったじゃない。
通学班の班長だった詩音ちゃんでしょうが!
よく連絡帳届けてくれたり忘れ物したら貸してもらったりしたんでしょ?
うちの三軒隣りだったわよね〜?」
「はい」
ちょっと待て。
「じゃあまたね。お母さんによろしくね。
詩音ちゃんのことちゃんと家まで送ってあげなさいよ。聞いてる? 健人!」
「分かってる」
「さようなら」
詩音さんは天使の微笑みでオレの母親に挨拶をする。
「詩音ちゃんさようなら。またね〜」
うちの母親はまくしたてるだけまくしたてて颯爽と帰って行った。
オレはあんぐり口を開けてた。
「詩音さんが通学班の班長」
オレの初恋の人。
「そうだよ。分かんなかった?」
「だって名字が」
「うち両親が離婚して名前が変わったの。だから引っ越したんだ」
オレが詩音さんにしてあげたことって。
「私ね小学生の時太ってたからよく男子にからかわれてたりしてたよね? いつも健人くんが私のこと助けてくれてた」
詩音さんはオレの肩に手を置いた。
「あの時から君の一番のファンになったんだよ」
詩音さんがオレにキスをした。
オレは頭が痺しびれてる。
「君が私を助けてくれたんだよ」
詩音さんがオレの耳元でささやく。
「大好きだよ」って。