***
ああ、
まただ。
パーーーーーーーーーーッッ
ガシャン
赤
赤
赤
予知夢ーー
落ち着け。
事実を…確認しなくちゃ。
血から目を背け、周りをキョロキョロ見る。
どこだ。
ところどころ空白になっていて、
場所が確認できない。
時間は…
空は白い。時計とかもない。
時間もわからない。
目を細めて香月くんの動かない身体を見る。
やっぱり制服。
温度とか湿度とかは感じない。
他の通行人もいない。
あ、トラックの運転手が降りてきた。
真っ青な顔で電話している。
声は聞こえない。
このシーンは昨日の予知夢にはなかった…!
***
「っ……!!」
涙で濡れた頬を触り、現実であることを確認する。
これではっきりした。
これは予知夢だ。
しかも昨日より少し詳しくなってる。
相変わらず時間と場所はわからないけれど…
「はぁ…」
二度目でも、慣れない凄惨な事故現場を
思い出してため息が出る。
守るって決めたんだ。
向き合わなきゃ。
「麻~、今日から早くするんじゃないのー?」
一階にいるお母さんの呼び掛けにハッとなる。
そうだ!今日から早く登校するんだった。
理由はもちろん
「今行く!」
香月くんを守るため!!