「香月くんも大連くんも
私以上に真っ黒焦げだから安心してよ。」
「嬉しくねぇわ。」
「そーなの…?
男の子って焼けるの好きじゃん。
かっこいいとか言って!」
合宿のとき、俺の上裸を見て、
あたふたしていた麻を思い出す。
「麻はどー思うんだよ。」
「え…?」
「合宿で俺の体見て、どう思ったわけ?」
「っ、な!!
か、体って!!変な言い方しないでよ!!」
「思い出してんじゃねぇよ。」
「わ、私は…別に…」
麻は真っ赤になって下を向いた。
それでも耳まで赤いから照れてるのがバレバレだ。
やっぱ飽きねぇな。
こいつで遊ぶのは。
「いつも…人一倍頑張ってるって思うから。
ひいき目かもだけど。」
「……は?」
「よ、よくわかんないけど!
ドキッと…したって
いう、か…」
「…っ……」
「アハハ…じ、冗談…ダヨ。」
麻は小さな声でそう言うと、俺から顔をそらした。
さすがの俺もこれ以上突っ込むことはできない。
自分の頬が熱いことがわかるから。
普通ドキッとしたとか言うか!?
ばか正直。
ホント、なんでこいつは普通のことができねぇんだよ。
普通女って、もっと狡猾で、嘘がうまくて…
俺も…なんでこんな普通じゃない女に
赤面してんだよ…。
クソ…っ
四谷さんの歌が終わり、俺はそれ以上思考の沼に沈まないように強制的に考えを断ち切った。