人気のないところに着くと、
私はまた香月くんに向き合った。
「えっと…ごめんね。友達といたのに。」
「いや、いいけど…
七瀬…だよな?クラス一緒の」
「えっ、うん。」
そりゃそうだよな。
入学して2か月。
こんなザ・平民の自分をうろ覚えでも当然だ。
女子に人気の香月くんはすぐに覚えたけど。
むしろうろ覚えでもされてただけありがたい。
「話って?」
「えっと…」
香月くんを守るという決意をしてから今まで、
約2時間。
結局私は香月くんと一緒に登下校する
良い言い訳が見つけられなかった。
呼び出したはいいものの…
ど、どうしよう…
まぁ断られたらこっそりあとをつけるとかして…
(ストーカー)
「何?告白じゃねーの?」
「ち、ちがう!!」
思わず大きな声が出て、慌てて口を手でふさぐ。
「冗談だし。」
私の顔は真っ赤になり、
ごまかすために咳払いをして見せた。
「えっと…
あの話したいのは…」
ヤバい。
頭がパニックになってきた。
嘘でも告白しとけばよかった?
でもきっとフラれるし…
じゃあ普通に『一緒に帰ろう』?
いや、なんでいきなり?って感じだし。
あー、わかんない!!
「私と友達になってください!」
「え…?」
香月くんは不審そうな目で私を見下ろした。
あ、これ失敗したやつ…