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結局30分ほどビーチバレーを続けたあと、
まもなくお昼ご飯の時間だと顧問の先生に告げられた。


「今日高速混みそうだから、早めに食べて早めに出発することにします!
1年はお肉や野菜取りに行くの手伝ってください。」



「残念。あんまり自由時間なかったね…」

「香月くん、一緒に具材取りに行こう。」

「あ、俺大連呼んでくる…」


その瞬間、東郷さんは私に向かってウインクをした。


「っ!
か、香月くん。私が呼びに行くよ。」

「へ?なんで?」

「えっ、わ、私が昼ごはんの用意するより、香月くんが加勢した方がきっと効率いいから…」

「そんな変わんねぇよ。」

「いいから!それじゃ!」


私は香月くんに変に勘ぐられる前に、
釣り堀の方へ走り出した。


よし。
これでちょっとは"協力"できたよね。



「ハァ…ハァ…」

2,3分走るとさきほどの釣り堀にたどり着いた。
大連くんに話しかける前に、息を整える。


「…大連くん」

「お、麻。おかえり。」

「あのさ…道混みそうだから早めにご飯食べるって。
だから戻ろう。」

「あ、そーなの?わかった。」


大連くんは笑顔で「ありがとう」と言うと、
水に浸していた餌を手元に引き上げた。


「釣れた?」

「全然。やっぱ朝イチに来ないとダメだな。」

「そっか…。
今度は朝イチに香月くんと来れたらいいね。」

「ハハッ、麻も来る?」

「へっ!?」


大連くんは竿を片付け、いつもの笑顔を私に向けた。


「香月と、よっちゃんと、今度遊ぼうぜ。」

「え!うん!それいい!楽しそう。」


私が食いぎみに答えると、
大連くんはまたいつもの笑顔を浮かべた。


よかった。

元気になったみたい…


私もつられて笑顔になった。