「え、な、何…?」

「…ハハッ!
お前らホント仲良いんだか悪いんだか…っ」

「よ、良くないよっ!」


急にそんなことを言い出すから、
思わず否定してしまった。

いつもいじめられてる私といじめてる香月くん。
仲悪くはないけど、超仲良し☆って感じでもない。


大連くんは一通り笑い終えると、
ふーっと息を吐き、今度は柔らかな笑顔を浮かべた。


「行ってこいよ、香月。
お前の竿も見といてやるから。」

「…あぁ…」

「すっ、すぐ戻るね。大連くん。」

「うん」


私は香月くんの横に並んで、再び川下へ歩き出した。




「ごめんね。せっかくの自由時間。」

「別にいいよ。てか珍しく粘ったじゃん。
俺の自転車追っかけるとき以外、基本すぐ流されるくせに。」

「えへへ…のっぴきならぬ事情が…」

「ふーん…」


香月くんは適当な相づちを打ち、私を見下ろした。


「パーカーの下、水着着てんの?」

「えっ、うん。
高崎くんの持ち物リストに書いてあって…
東郷さんも!着るって言ってたから。」

「持ち物リストねぇ…」

「最初は嫌々な部分もあったけど、来て良かったよ。
みんなの頑張ってる姿見れて、私もなんか…頑張ろうって思った。」


香月くんは黙ったまま立ち止まった。

「香月くん?」


「お前、結構男と仲良くなんの上手いよな。」

「へ?何、その言い方!」

まるで私が遊び人みたいじゃんか!

「大連のことも気づいたし、高崎とも…」

「ふっ普通だよ…。
大連くんはあからさまにいつもと違ったし。」

「……
アイツ、結構周りに気ぃ遣うタイプだからな。
3日間先輩と一緒でかなり疲れたんだろ。」

「そう…なんだ。」


香月くんは私の顔をじっと見たままだ。


何?
もしかしてなんか怒ってる…!?


「えっと…香月くん?」

「脱がねぇの?」

「は?」

「パーカー」

「えっ」




私たちの間に沈黙が流れる。


何?何これ?
どーすればいいの!!