予知夢が見れるようになったのも、
きっとなんか…神様的な何かの
なんとかしろっていう私へのメッセージだ。

善良なクラスメイトが事故で死ぬのなんて、
どうにかして止めたいと普通に思う。


私は予知夢が見られるという特殊能力に…
特殊能力に目覚めた自分に酔っていた。

責任感と正義感。

どっかの漫画のヒロインのように、
私にも人々を救える力が与えられたのだ。

そんなことを妄想して、
私はやる気に満ち溢れていた。


よし!
守ると決めたからには…!


私はカモフラージュで広げていた数学のノートを
カバンに突っ込み、小走りで校庭へ降りていった。


校庭は半分ずつ、野球部とサッカー部が練習に
使っている。


目当ての人はすぐに見つかった。

サッカー部のコートの中で知らない上級生に
混じって、懸命にボールを追いかけている
1年生。



事故に遭ったのは多分通学中。
根拠は制服を着て自転車に乗っていたから。

というか、うちの制服を着ていたから
すぐにその人が香月くんだとわかった。


血とか音とかがショッキングすぎて、
他のことはあまり思い出せないけれど。


なんとかうまく話を作って、
香月くんの登下校に付き添おう。

登下校に付き添うって、まるでカレカノ…

いやいや、私が告白しても絶対フラれるし、
そもそも好きじゃないし。

まさか
『あなたはいつか事故で死にます』
なんて言えるわけもないし。
(そんなんただの頭おかしい厨二病)

もっと他の理由で、うまく…

う~ん……


言い訳作りで頭を悩ませているうちに、
あっという間に下校時刻になってしまった。