「なかなか辛辣ね。」
「香月くんは絶対Sだ…」
「よかったじゃない!」
「何が…」
「麻はMだよ。相性いい♡」
「私はMじゃない!!」
教室でそんなことを大きい声で言って、
みるみる顔が熱くなる。
咄嗟に見た香月くんは顔を手で押さえて、
肩が震えるほど笑っていた。
ムカつく~!
私はよっちゃんの机に顔を伏せ、
できるだけ自分だとバレないようにした。
「そういうドジなところも。」
「よっちゃんもSだ…」
「そうよ。だから相性いいんだね、私たち。」
「うえぇん」
怒濤の攻撃に私は耳を塞いだ。
信じてくれなかった…。
香月くんはこれからも自転車で来つづけるだろう。
これからどうすれば…
って、そんなのもう決まってるけどね。
「麻、それで。今日の放課後は?」
「もちろん!香月くんを守るよ。」
「それでこそ麻!」
信じてくれなくても、私の正義に誓って
香月くんを守りつづけるだけだ。
私は膝の上で拳を強く握り、改めて決意を固めた。