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放課後ーー

サッカー部の練習を今日はよっちゃんと一緒に
ながめる。


その間よくわからない予知夢の話をよっちゃんは
真剣に聞いてくれた。


「ふんふん。
じゃあ夢でわかってることは、
快晴の日
制服
自転車に乗ってる
トラックの通る大通り
トラックの運転手(男)は事故のあと電話を掛ける
ってところ?」

「うん。」

「季節も時間もわからないんだよね?
着てる制服は?夏服?冬服?」

「う~ん…なんかそれはまだ『見えない』感じ」

「難しいな…」


よっちゃんは真面目に香月くんを守る方法を
考えてくれているみたいだ。

嬉しいな…

理解してくれる味方がいるのって
こんなに心が軽いんだ。


「よっちゃん…
いろいろ考えてくれてありがとう。」

「当たり前でしょ。麻だけじゃ頼りないし!」

「うん…。
でも行き帰りは私達の側にいないでほしい。」

「どうして…っ」

「よっちゃんも巻き込むかもしれない。
被害者を増やすなんて絶対にやだ。」

「っ……
それは…そうだけど…そんなの「私は味方でいてくれるだけで十分だよ。」


よっちゃんは悔しそうに唇を噛んだ。


言おうとしたことはわかる。

『そんなの麻だって一緒じゃないか。』


私だって香月くんの事故に巻き込まれないとは
言いきれない。

それでも…みすみすほっとくなんて私にはできない。


「わかったよ…
あ、いいこと思い付いた!」

よっちゃんはポンと両手を合わせた。

「自転車に乗せなければいいんじゃない?」

「へ…?」

「だって、香月くんが亡くなるのは
自転車に乗ってるとき。
だから雨の日、麻も歩きの香月くんと
別々に帰ったんでしょう?」

「あっ、そっか!!」


言われてみれば確かに。

私があの日、ためらわず香月くんと別々に
帰ったのは彼が自転車に乗っていなかったから。

『自転車』っていうピースをなくせば、
予知夢は成立しない…!


「さすがよっちゃん!天才!女神!」

「オホホホ!!」

「駐輪場行こう!」


私は駆け足でいつも香月くんが自転車を
止めている位置へ向かった。