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「それは…大変だったな。」

「ドンマイ、高崎。」


話し終えて、同情の声をかけられ、さらに惨めになる。


「高一男子がからかうだけの交際してるわけないだろ。」

「冷静に考えればそうだわ…」

「まぁ、次見つけようぜ。高崎。」


大連が余裕のある笑顔を浮かべた。


「お前はなんでそんな余裕なんだよ。」

「んー、まぁ。焦ってないし。」

「へぇ、なんで?」


大連は間をとって、手もとのジュースを飲む。


「アプローチしてる女子、いるんだよね。」

「へぇ、誰?1年?」

「ああ。おんなじクラスの子。」

「お前なら大人っぽいし大丈夫だろ。」

「どうだろ。その子もかなり大人だから。」

「へぇ…」


大連が大人だと思うなんて、どんな女子だろう。

まぁ大連のことだから、そのうち吉報が入るだろう。

俺は自分の彼女をまずは探さないとな。


ありがとう、七瀬さん。

君を好きになれてよかった。

さようなら…


俺は暗くなり始めた窓の外を見ながら
そう心のなかで呟いた。