「みんなに聞いてもらいたい。
最近のサッカー部事情…」
「なんだよ、もったいぶって」
「早く言えよ!」
練習後、よく集まる1年でファミレスの定位置に座り、俺は話し始めた。
俺ははーっとため息をつき、
その分重くなった空気を感じる。
「最初はよかったよ。俺たち。
大きな問題もなく、先輩とも仲良くて…」
「な、何が言いたいんだよ…」
同期のひとりがごくりと唾を飲んだあとそう尋ねた。
俺はゆっくりゆっくり口を開いた。
「七瀬さんと香月。あれなんなん?」
「…へ。」
「ぶはっっ!!」
大連だけが吹き出したが、俺はそのまま話を続ける。
「毎日毎日いちゃいちゃいちゃいちゃしやがってよ!なんなんだよー!」
「まぁ七瀬さん最初っから香月狙いっぽかったもんな」
「俺たちの前で香月ひとり呼び出してたしな」
納得納得、と頷く同期に腹が立つが
まだなんとか抑える。
「てかようやく付き合えてよかったんじゃん?」
大連がジュースを飲みながら適当にコメントした。
「ようやくって…基本いっつも一緒にいたのにか?付き合うの必至だったろ。」
「そうでもないよ。
二人、すれ違ってたっぽいし。」
香月と一番仲が良い大連が言うから、嘘ではないんだろうけど…。
「でも…聞いてくれよ。」
俺は今日目の当たりにした出来事を話し始めた。