昨日の帰り道、
香月くんがぼんやり言っていたのは
M公園の近くのマンションに住んでいる
ということ。
そしたら、この辺の道で待ってたら会えると
思うけど…
私はいつもより30分早く家を出て、
学校と逆の香月くんの家があるらしいところの
近くに来ていた。
朝から待ち伏せしてたらさすがに引かれるよな…
でも昨日は気ぃ遣って私の家の近く
通ってくれただけかもしれないから
通学ルートもわからないし…
今日引かれたら、明日から朝は影から見守って、
帰りは頑張って一緒に帰ってもらおう。
**
40分後ーー
来ない!
さすがにこの時間にここを通ってなかったら
間に合わない。
道が違うのかな…。
いや、ここを通る以外遠回りだと思うけど。
今日は休みとか?
とりあえず
急げーー!
念のため持ってきていた自転車を爆走させる。
教室に飛び込んだ瞬間にチャイムが鳴った。
ギリギリセーフ!
息を整えて、香月くんの席を見ると、
パタパタとクリアファイルで自分を扇いでいる
香月くんがいた。
「えっ、なんで…」
思わず漏れた声に香月くんが反応して
視線を向けた。
「おはよ」
「お、おはよう…」
ふわぁ~!
やっぱり教室で話すのは照れる…!
「えっと…いつ…」
「??」
そのとき、先生が扉を開け
「おはようございます。
ホームルーム始めます。」
と言って入ってきた。
仕方なく私は自分の席へ向かった。