お題バレッタ、百物語、シーソー
チャイムの音が鳴り響いたと同時に、僕は足早に小学校を飛び出した。
向かう先は町から少し離れたさびれた公園だ。
元々引っ込み思案な僕は、今まで友達を作る事が出来なかった。
あるとき、寂れた公園のシーソーの前にポツンと立つ女の子を見かけ、思わず声をかけた。
何故そんな行動をとったのか分からないけれど、長い髪をバレッタでまとめた可愛い女の子に何か特別なものを感じたのかもしれない。
その日から僕たちは毎日遊ぶようになった。
僕たち以外誰も使わない公園で、ブランコ、滑り台、砂場、そして最後にシーソーに乗る。それが僕たちの日課となっていた。
シーソーに乗ると、いつも彼女は色々な物語を話してくれた。
最初は疑問に思ったけれど、次第に僕は彼女の物語が楽しみになっていった。
(今日は百個目のお話だ。どんなお話かな?)
急いで公園に向かうと、いつも通り彼女はシーソーの前に立っていた。
「遊ぼう!」
彼女は僕の声に気づくと優しく微笑んだ。
「うん」
彼女はそう言うと僕の手を取りブランコへと向かった。滑り台、砂場、そして、シーソー。
「今日のお話はね、百物語の最後。この公園のお話なの。」
おもむろに彼女が話始めた。
「昔この公園で死んじゃった女の子がいるの。転んでこのシーソーに頭をぶつけちゃったんだって。」
何故か僕は嫌な予感がして、俯いた。この話を聞いたら、楽しい日々が終わってしまう、と
「それ以来この公園には誰も来なくなっちゃったんだけど、ある時一人の男の子が来るようになったんだ。」
たまらず顔を上げると、彼女は目に涙を浮かべながら僕を見つめて微笑んでいた。
「貴方と遊べて凄く楽しかった。ありがとう。」
僕も、と言いかけた時、彼女は姿はなく、バレッタだけがシーソーの上にポツンと残されていた。
チャイムの音が鳴り響いたと同時に、僕は足早に小学校を飛び出した。
向かう先は町から少し離れたさびれた公園だ。
元々引っ込み思案な僕は、今まで友達を作る事が出来なかった。
あるとき、寂れた公園のシーソーの前にポツンと立つ女の子を見かけ、思わず声をかけた。
何故そんな行動をとったのか分からないけれど、長い髪をバレッタでまとめた可愛い女の子に何か特別なものを感じたのかもしれない。
その日から僕たちは毎日遊ぶようになった。
僕たち以外誰も使わない公園で、ブランコ、滑り台、砂場、そして最後にシーソーに乗る。それが僕たちの日課となっていた。
シーソーに乗ると、いつも彼女は色々な物語を話してくれた。
最初は疑問に思ったけれど、次第に僕は彼女の物語が楽しみになっていった。
(今日は百個目のお話だ。どんなお話かな?)
急いで公園に向かうと、いつも通り彼女はシーソーの前に立っていた。
「遊ぼう!」
彼女は僕の声に気づくと優しく微笑んだ。
「うん」
彼女はそう言うと僕の手を取りブランコへと向かった。滑り台、砂場、そして、シーソー。
「今日のお話はね、百物語の最後。この公園のお話なの。」
おもむろに彼女が話始めた。
「昔この公園で死んじゃった女の子がいるの。転んでこのシーソーに頭をぶつけちゃったんだって。」
何故か僕は嫌な予感がして、俯いた。この話を聞いたら、楽しい日々が終わってしまう、と
「それ以来この公園には誰も来なくなっちゃったんだけど、ある時一人の男の子が来るようになったんだ。」
たまらず顔を上げると、彼女は目に涙を浮かべながら僕を見つめて微笑んでいた。
「貴方と遊べて凄く楽しかった。ありがとう。」
僕も、と言いかけた時、彼女は姿はなく、バレッタだけがシーソーの上にポツンと残されていた。