「やってしまった・・・。」
自販機の前で1人ため息をつく。
私は甘いものが好きだ。
特に飲み物ではいちごミルクが好きで、学校の自販機ではいちごミルクを買うことがほとんど、なのだが。
「はあ・・・。」
今私の手に握られてるのは缶コーヒー、しかもブラック。
・・・前から思ってたんだよ。
なんでいちごミルクの隣がブラックコーヒーなんだよ、って。
絶対誰が押し間違えちゃう人いるよね、ってさっちゃんと話してたのに。
・・・私が見事に押し間違えました、ええ。
はあ、と何度目か分からないため息がこぼれる。
苦いものは苦手だ。
カフェオレですら飲めるか怪しいのに、ブラックなんて飲めるわけがない。
「・・・無念。」
ただいま金欠の私、本日の所持金は230円。
学校の自販機の設定価格は120円。
買い直そうにも10円足りない、なんて事だ。
仕方ない、いちごミルクは諦めてコーヒーはさっちゃんにでもあげよう。
最後にもう一度はあ、とため息をついて教室へと戻ろうと自販機に背を向ける。
「あれ、秋山。なにやってんの?」
「・・・おお、塚田くん。」
そんな時、横から声をかけられ振り返れば、そこに立っていたのは爽やか代表塚田くん。
「何でそんなテンション低いの。」
「自分の間抜けさに悲しんでいた所だよ。」
手に持っていた缶コーヒーを塚田くんに見せて、今までの経緯を説明する。
私の話を聞いて塚田くんはははっ、
と明るく笑って。
「ほんと間抜けだな。」
「そんな爽やかな笑顔で言わないでもらっていい?」
バッサリ言われた。秋山泣いちゃう。
「いいよこれ、塚田くんにあげる。」
「いいの?」
「うん。私飲めないし。」
そう言って塚田くんにコーヒーを渡せば、さんきゅ、とまた笑う。うーん、やっぱ爽やか。
「そういや秋山いつもいちごミルク飲んでるよな。」
「だっておいしいもん。」
「俺も甘いものは好きだけど、いちごミルクはちょっと甘すぎるなあ。」
そう言って塚田くんは眉を下げて笑う。
そんな会話をしているうちに鳴ったのは休み時間の終了を告げるチャイム。
「また後でね。」
「おう。」
1度部室に用があるという塚田くんに手を振って、教室へと歩き出した私。
「秋山。」
ガコン、という自販機の音と共に、塚田くんに名前を呼ばれる。
「わ!!」
振り向いた瞬間、塚田くんから投げられた何か。
それをギリギリキャッチすれば、ひんやりと手に冷たい感触を感じて。
あっちゃー、と塚田くんはわざとらしく頭を抱える。
そして、私の手元にあるペットボトルを指さした。
「悪い、間違えちゃったからもらってくんない?俺飲めないからさ。」
そう言ってからじゃあな、とひらっと手を振って部室の方へと歩いていく。
「・・・さすが爽やか代表。」
塚田くんが去った後、自分の手元を見れば、そこにあるのはいちごミルク。
今度またお礼を言おう、と思いながら教室へと再び歩き出せば、授業開始のチャイムが鳴った。
・・・嘘でしょ。遅刻決定。
自販機の前で1人ため息をつく。
私は甘いものが好きだ。
特に飲み物ではいちごミルクが好きで、学校の自販機ではいちごミルクを買うことがほとんど、なのだが。
「はあ・・・。」
今私の手に握られてるのは缶コーヒー、しかもブラック。
・・・前から思ってたんだよ。
なんでいちごミルクの隣がブラックコーヒーなんだよ、って。
絶対誰が押し間違えちゃう人いるよね、ってさっちゃんと話してたのに。
・・・私が見事に押し間違えました、ええ。
はあ、と何度目か分からないため息がこぼれる。
苦いものは苦手だ。
カフェオレですら飲めるか怪しいのに、ブラックなんて飲めるわけがない。
「・・・無念。」
ただいま金欠の私、本日の所持金は230円。
学校の自販機の設定価格は120円。
買い直そうにも10円足りない、なんて事だ。
仕方ない、いちごミルクは諦めてコーヒーはさっちゃんにでもあげよう。
最後にもう一度はあ、とため息をついて教室へと戻ろうと自販機に背を向ける。
「あれ、秋山。なにやってんの?」
「・・・おお、塚田くん。」
そんな時、横から声をかけられ振り返れば、そこに立っていたのは爽やか代表塚田くん。
「何でそんなテンション低いの。」
「自分の間抜けさに悲しんでいた所だよ。」
手に持っていた缶コーヒーを塚田くんに見せて、今までの経緯を説明する。
私の話を聞いて塚田くんはははっ、
と明るく笑って。
「ほんと間抜けだな。」
「そんな爽やかな笑顔で言わないでもらっていい?」
バッサリ言われた。秋山泣いちゃう。
「いいよこれ、塚田くんにあげる。」
「いいの?」
「うん。私飲めないし。」
そう言って塚田くんにコーヒーを渡せば、さんきゅ、とまた笑う。うーん、やっぱ爽やか。
「そういや秋山いつもいちごミルク飲んでるよな。」
「だっておいしいもん。」
「俺も甘いものは好きだけど、いちごミルクはちょっと甘すぎるなあ。」
そう言って塚田くんは眉を下げて笑う。
そんな会話をしているうちに鳴ったのは休み時間の終了を告げるチャイム。
「また後でね。」
「おう。」
1度部室に用があるという塚田くんに手を振って、教室へと歩き出した私。
「秋山。」
ガコン、という自販機の音と共に、塚田くんに名前を呼ばれる。
「わ!!」
振り向いた瞬間、塚田くんから投げられた何か。
それをギリギリキャッチすれば、ひんやりと手に冷たい感触を感じて。
あっちゃー、と塚田くんはわざとらしく頭を抱える。
そして、私の手元にあるペットボトルを指さした。
「悪い、間違えちゃったからもらってくんない?俺飲めないからさ。」
そう言ってからじゃあな、とひらっと手を振って部室の方へと歩いていく。
「・・・さすが爽やか代表。」
塚田くんが去った後、自分の手元を見れば、そこにあるのはいちごミルク。
今度またお礼を言おう、と思いながら教室へと再び歩き出せば、授業開始のチャイムが鳴った。
・・・嘘でしょ。遅刻決定。