お母さんの悪戯っぽい笑顔も彼女に似ている。
「本人が言ってたわよ」
「葵・・・さんが?」
お母さんの僕を見つめるその目に委縮して思わず視線を逸らした。
「あなたって本当に嘘がつけない性格みたいね。最初は涼芽があなたを庇って言ったのかとも疑ったけど、あなたを見てたらどっちが本当かすぐに分かったわ」
「いえ。確かに最初は彼女から言い出したことですけど、最終的に行こうって言ったのは僕なんです。本当です。結局、僕が優柔不断なせいで彼女を危ない目に・・・」
「涼芽の言う通り人ね」
「え?」
「あなたは何でも自分のせいにしちゃうのかしら? 涼芽もね、嘘をつくのが昔からものすごく下手なの。あからさまに顔には出ないけど、雰囲気で分かるのよね」
そう言われると、彼女は雰囲気が違って見えることが時々あったっけ。
「今日はあなたに文句を言いに来たわけじゃないのよ。あの子が入院したのはあなたのせいではないから」
僕のせいじゃないって、どういう意味なんだろうか?
お母さんは手に持っていたティーカップをテーブルの上に置いた。
「学校にはまだちゃんと伝えてなかったんだけど、あなたと涼芽が一緒に海に行った日にはあの子はすでに入院してたのよ」
「入院してた・・・・・?」
お母さんの言葉の意味がすぐに理解できなかった。
「あのころ、身体の調子があまり良くないからって、病院に検査に行ったの。そうしたらその検査の結果が良くなくて、すぐ入院になってしまって」
そう言えば彼女と最後に教室で話をした日、確かに様子がおかしかった。もしかして、その日に病院で検査をしたのかもしれない。
「入院がどれくらい長くなるか分からないってお医者様に言われてしまって、ちょっと落ち込んでしまって・・・。だから春休みに入る前に一日だけ学校に行けるように病院から外出許可をもらったの」
「一日だけ?・・・」
「そう。みんなに会いたいからって一日だけでいいから学校に行かせてくれって、あの子きかなくってね」
あの日はそんな貴重な一日だったんだ。
それなのに学校をサボって僕なんかと・・・。
僕は後悔と彼女に対する罪悪感でいっぱいになった。
「あら、そのペンギンのストラップ・・・」
お母さんが僕のカバンに付いているペンギンのストラップを見つけた。
海に行った時に彼女と一緒に買って交換したストラップだ。
「本人が言ってたわよ」
「葵・・・さんが?」
お母さんの僕を見つめるその目に委縮して思わず視線を逸らした。
「あなたって本当に嘘がつけない性格みたいね。最初は涼芽があなたを庇って言ったのかとも疑ったけど、あなたを見てたらどっちが本当かすぐに分かったわ」
「いえ。確かに最初は彼女から言い出したことですけど、最終的に行こうって言ったのは僕なんです。本当です。結局、僕が優柔不断なせいで彼女を危ない目に・・・」
「涼芽の言う通り人ね」
「え?」
「あなたは何でも自分のせいにしちゃうのかしら? 涼芽もね、嘘をつくのが昔からものすごく下手なの。あからさまに顔には出ないけど、雰囲気で分かるのよね」
そう言われると、彼女は雰囲気が違って見えることが時々あったっけ。
「今日はあなたに文句を言いに来たわけじゃないのよ。あの子が入院したのはあなたのせいではないから」
僕のせいじゃないって、どういう意味なんだろうか?
お母さんは手に持っていたティーカップをテーブルの上に置いた。
「学校にはまだちゃんと伝えてなかったんだけど、あなたと涼芽が一緒に海に行った日にはあの子はすでに入院してたのよ」
「入院してた・・・・・?」
お母さんの言葉の意味がすぐに理解できなかった。
「あのころ、身体の調子があまり良くないからって、病院に検査に行ったの。そうしたらその検査の結果が良くなくて、すぐ入院になってしまって」
そう言えば彼女と最後に教室で話をした日、確かに様子がおかしかった。もしかして、その日に病院で検査をしたのかもしれない。
「入院がどれくらい長くなるか分からないってお医者様に言われてしまって、ちょっと落ち込んでしまって・・・。だから春休みに入る前に一日だけ学校に行けるように病院から外出許可をもらったの」
「一日だけ?・・・」
「そう。みんなに会いたいからって一日だけでいいから学校に行かせてくれって、あの子きかなくってね」
あの日はそんな貴重な一日だったんだ。
それなのに学校をサボって僕なんかと・・・。
僕は後悔と彼女に対する罪悪感でいっぱいになった。
「あら、そのペンギンのストラップ・・・」
お母さんが僕のカバンに付いているペンギンのストラップを見つけた。
海に行った時に彼女と一緒に買って交換したストラップだ。