想定外の言葉に僕の口はぽっかり開いた。

「あいつ、どんな男にもホイホイついていくタイプで、とっかえひっかえ男と遊んでるから。中学の時もかなりグレてて一年留年してるらしいし」

男と遊んでる? 
グレて留年? 
彼女が・・・・・。

「あの、どうして僕に・・・?」
「お前、純情そうだから、あいつに本気になって傷付きでもしたらかわいそうだから教えといてやろうと思ってさ」

「いや、別に僕は・・・・・」
「そうか、ならいいけどさ。まあ気をつけな」

そう言うとその男子は階段を足早に駆け上っていった。

どうしてあの男子はそんなことを僕に言ったのだろうか。

確かに彼女については男遊びが多いとか、あまり良くない噂を聞いたことがあった。

でもそんなことは僕には関係無い。
僕は自分にそう言い聞かせた。

しかしその男子の言葉は僕の心の奥まで突き刺さっていた。