「それって、もしかしてパパへのアプローチだったんじゃないの?」
「え? どういう意味だ?」

それを聞いた遥芽はガックリと肩を落とした。

「パパさあ、モテなかったでしょ!」

この娘は何を言う! まあ確かにその通りだが。

「まあね」

僕は意地を張って偉そうに頷いた。

「そこ、威張るとこじゃないと思うけど」

遥芽は呆れながらおでこに手をやった。

「パパ、よかったね。ママと結婚できて」

娘に慰められるようになったらおしまいだな
・・・・・なんて思いながらも、なぜか嬉しい。

「ああ、とっても感謝してるよ。ママと出逢えたこと。そして遥芽と逢えたことも」
「おお、パパかっくいー」

「親をからかうなよ」
「からかってないよ。ホントにカッコよかったよ、今のセリフ」

遥芽は笑いながらまた僕の腕をギュッと掴む。

スズカがすぐ横で笑っている感じがした。
気のせいだろうか。

いや、気のせいではない。

「ありがとう、涼芽。これからもずっと一緒にいようね」