あまりにもあっさりとした武田君の告白は気持ちがいいほど爽快感ある。
竹田君はやっぱりすごい。
よく他人《ひと》にそういうことを言えるもんだ。
でも僕が彼女にフラれたことは知っていて言ってるのだろうか?
「実は俺たち、前に付き合ってたんだ」
「そ・・・そうなんだ」
僕は何も知らなかったように驚いたふりをした。
「でも別れちゃてね。まあ俺が悪いんだけどさ。アイツの病気のこと受け止められなかった」
武田君も彼女の心臓の病気のことは知ってるようだ。
「でも今は後悔してるんだ」
武田君は何を言いたいんだろう?
「どうしてそんなこと僕に話すの?」
武田君は俯きながら笑っていた。
「この前、みんなで一緒に病院に見舞いに行った時さ、もう一度付き合ってくれってあいつに言ったんだよ」
やっぱりそうだったんだ。
分かっていたことなのに、改めてまたショックを受けた。
「でも、フラられたよ」
「え?」
ちょっと話が違ってきた。
「どうも別に好きなヤツがいるみたいだ」
それはかなり話が違う。
全然聞いていない話だ。
そしてそれは今の僕には追い打ちをかけるようなキツイ言葉だ。
そうか。彼女には別に好きな人がいたんだ。
それじゃ僕もフラれても仕方がない。
僕はショックだったのと同時にホッともしていた。
「実は僕もフラれたんだ、彼女に」
僕も正直に自分のことを話した。
それがフェアだと思ったから。
「やっぱりお前、あいつに告ったのか?」
「やっぱりって?」
武田君は驚いてはいるものの、想定していたような口ぶりだった。
「お前、スズメの心臓のこと、知ってるんだろ?」
僕は素直に頷いた。
「そうか・・・・」
武田君はそのまま黙ってしまった。
結局、僕に何を言いたいんだろう?
「お前さ、みんなに“マジメ”って呼ばれてるけど、本当の名前は“ハジメ”でいいのか?」
僕の名前がどうかしたのだろうか?
「違うよ。ハルって言うんだ。始って書くけど」
武田君はそれを聞くとフッと軽く笑った。
「やっぱりな・・・・・」
やっぱりって何だ?
何がおかしいんだろう?
「僕の名前がどうかした?」
「いや、変な読み方だなって思ってさ」
余計なお世話だ。
そう言いたかったけど、そんな度胸は持ってない。
「親が捻くれててね」
竹田君はやっぱりすごい。
よく他人《ひと》にそういうことを言えるもんだ。
でも僕が彼女にフラれたことは知っていて言ってるのだろうか?
「実は俺たち、前に付き合ってたんだ」
「そ・・・そうなんだ」
僕は何も知らなかったように驚いたふりをした。
「でも別れちゃてね。まあ俺が悪いんだけどさ。アイツの病気のこと受け止められなかった」
武田君も彼女の心臓の病気のことは知ってるようだ。
「でも今は後悔してるんだ」
武田君は何を言いたいんだろう?
「どうしてそんなこと僕に話すの?」
武田君は俯きながら笑っていた。
「この前、みんなで一緒に病院に見舞いに行った時さ、もう一度付き合ってくれってあいつに言ったんだよ」
やっぱりそうだったんだ。
分かっていたことなのに、改めてまたショックを受けた。
「でも、フラられたよ」
「え?」
ちょっと話が違ってきた。
「どうも別に好きなヤツがいるみたいだ」
それはかなり話が違う。
全然聞いていない話だ。
そしてそれは今の僕には追い打ちをかけるようなキツイ言葉だ。
そうか。彼女には別に好きな人がいたんだ。
それじゃ僕もフラれても仕方がない。
僕はショックだったのと同時にホッともしていた。
「実は僕もフラれたんだ、彼女に」
僕も正直に自分のことを話した。
それがフェアだと思ったから。
「やっぱりお前、あいつに告ったのか?」
「やっぱりって?」
武田君は驚いてはいるものの、想定していたような口ぶりだった。
「お前、スズメの心臓のこと、知ってるんだろ?」
僕は素直に頷いた。
「そうか・・・・」
武田君はそのまま黙ってしまった。
結局、僕に何を言いたいんだろう?
「お前さ、みんなに“マジメ”って呼ばれてるけど、本当の名前は“ハジメ”でいいのか?」
僕の名前がどうかしたのだろうか?
「違うよ。ハルって言うんだ。始って書くけど」
武田君はそれを聞くとフッと軽く笑った。
「やっぱりな・・・・・」
やっぱりって何だ?
何がおかしいんだろう?
「僕の名前がどうかした?」
「いや、変な読み方だなって思ってさ」
余計なお世話だ。
そう言いたかったけど、そんな度胸は持ってない。
「親が捻くれててね」