そしたら。星々が煌めく広大な夜空には、闇色の天であっても緋色に映える飛行機雲で、
 
 ――――Thank you, my sister and science. From Hinako――――
 
 と、メッセージを囲むようにハートマークが描かれていた。空を大胆に上塗りし、自分色に染めたそれはまさに〝わたしの宇宙〟。
 そして目線を下ろしたら。自然と、大地の口元が緩む。

 だって、そこには――――。

 唇をほころばせる蒼穹祢(あね)に、背後から満面の笑みで抱き着く緋那子(いもうと)がいたのだから。